東京都 白井 様 (写真:左後ろ)
登山好きだった父が昨年亡くなったのをきっかけに、50歳も越えて自分の残り時間を意識するようになり、以前から登ってみたかった富士登山を決意したのが1年前でした。しかし、登山初心者、腰も膝も悪く、練習登山でも人の倍の時間がかかる有様です。ツアーを探しまくり、最後に出会ったのがごうりきさんのツアー。1泊か2泊かで迷い、近藤ひろみさんに親身になって考えていただき、「白井さんの場合は2泊の方をお勧めします」 ・・・今考えると、その瞬間に、私の富士山登頂成功は約束されたのだと思います。送られてきた「しおり」を熟読し、持ち物、トレーニング法、直前の生活サイクルなど、初心者にはとても参考になることばかりでした。
近藤光一さんの著書を読み、この人のツアーならば、絶対に大丈夫という安心感がありましたが、それは1日目の集合ガイダンスのときに確信に変わりました。終始分かりやすく、明確な言葉で力強く我々をリードしてくださいました。 適格なタイミングで休憩・ガイドを入れてくださったおかげで、リラックスして皆でしゃべりながら楽しく進めたと思います。身体が休まるだけでなく、心も満たされる休憩でした。
しおりのアドバイス通り事前の生活サイクルにも気をつけたので、山頂を目指す朝もすっきりと目覚めました。一番心配だった高山病にならなかった理由は「睡眠」だったと思います。
天候にも恵まれ、夢にまで見た「馬の背」は、この登山で初めて「苦しい」と思い、下を向き歯を食いしばり、顔を歪めて、もがいていたら・・・涙が出てきました。何でだろう。父です。 昨年亡くなった父のことを、この瞬間に思い出し、今回の良い天気・好条件、すべて、父がお膳立てしてくれたんだと気づきました。 「お前はお前でこれからも人生楽しめ」父はそう言って、私の背中を後押ししてくれました。 親父、山、楽しいじゃん。
気づくと、馬の背のゴールまで上がっていました。サングラスをしていたので、他の人には気づかれなかったでしょうが、私は記念撮影待ちの列に加わりながら、そっと涙をぬぐいました。
登山後振り返ると、江戸時代の富士講の人たちがそう信じていたように、富士山に登ることで「生まれ変わりたい」と思っていましたが、ちゃんと生まれ変われたように思います。 正確に言うと、「困難なことでも事前に周到に準備すれば乗り越えられる」ことを経験し、今後への糧・自信になりました。 太古から霊峰と言われているように、富士山登頂は、皆にすごいパワーを与えてくれるんですね。 そして、2泊のツアーにして本当に良かったと思います。これが1泊だったら、あんなハードなお鉢めぐりのあと、五合目までの下山に、膝が持ちませんでした。事前に持ち物などについての相談を詳細にさせていただいたために、当日の荷物はほとんど無駄なく用意することができました。下山したその日に夕方犬の散歩に行けるほど軽い筋肉痛で済みました。
よく「富士山は登る山ではなく、見る山」といいますが、確かに、「歩いていて楽しい尾根・森林・絶景」というのは少ないかもしれません。 それでも、私は富士山に実際に登ったほうが、富士山が理解でき、今度見るときにはもっと楽しめると思います。「登ってみてよかった」と絶対に言えます。
実は、今度は一合目から登ってみたいなあ、なんて思い始めています。登る前は、そんなことを思うなんてまったく想像していなかったんです。そんな考えがもてたのも、今回の登山が想定よりも100倍楽しかったからです。ごうりきさんのお二人、同じツアーに参加した方々には何度お礼を言っても言い足りない気持ちです。本当にありがとうございました。